育つ速さ

2017年9月12日

9/5に浮船の里に来たお蚕様も、9/9に4齢の眠りに入りいよいよ繭づくり前の最後の週になりました。

4齢の眠りに入るお蚕様。まるで手を合わせているように見えます。

てっきり晩秋蚕かと思っていたのですが、飼育標準表こと養蚕カレンダーによると・・・

なんと初秋蚕の飼育日数と合致しているため、思ったより早く(と言っても1日2日早いだけなのですが)9/18に上蔟の予定となりました。

今年の夏は長雨の続く異常気象で日照不足による被害を心配していましたが、桑の木には特別な被害もなく、青々としたきれいな葉っぱを繁らせてくれました。

光り輝く桑の新芽には赤味がさしていて、とても柔らかい。

桑の枝を切りに行くときは、重装備で畑に入ります。畑には色々な虫がいますし、人の背丈ほどに大きくなった桑の、樹液や葉っぱにかぶれることもあるので気をつけます。

切り口から流れ出す樹液。

久米さん(155㎝)の背を越す桑の枝。

浮船の里での養蚕は本当にほんの少しの飼育頭数ですが、養蚕を通していろいろなことを知ったり感じたり、かけがえのない体験をしていると思います。

便利さの代わりになくしたもの・こと。

先人の残した道しるべがほんとうになくなってしまわないように、小さな規模でも活動し続けていきたいです。

MIMORONE

2016年10月17日

前回訪れたのが6月だったから、
また季節の変わり目に小高に来たことになる。
青空がどこまでも広がる文句なしの青空で、
私はほっとしていた。
何しろ、私が小高に行くと
半端じゃない雨が降ることが多かったからだ。

今回ばかりは、雨だけは避けたかった。
10月15日、16日は小高の秋祭り。夫婦で参加させていただいた。
私にとってもそうだけれど、
それ以上に浮船の里の皆さんにとっても、
とても大切な秋祭りだったんじゃないかと思う。

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小高に新しいことばがひとつ生まれた。
浮船の里の絹糸から作る製品ブランド「MIMORONE」
これが秋祭りでお披露目になった。
小高で育てたお蚕様の糸を小高の草木で染め上げて作った、
100%小高のブランドだ。

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草木の繊細な色と、シルクの優しい手触り。
アクセサリーは秋祭りに来たみなさんを惹き付けて、
飛ぶように売れていった。
売れるのは楽しい。
このアクセサリーがどんどんいろんな人のところに行くのだから。
その先々を想像して、また楽しくなる。
少しずつ、世の中に「MIMORONE」の色が広がっていく。

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「みもろ」とは大和ことばで「神様が見守る場所」の意味だそうだ。
小高の豊かな自然、糸を生み出すお蚕様、そして浮船の里の人たち。
きっと、神様が見守っている。
「ね」は「音」である。
音色ということばがあるように、色とりどりの糸のイメージと、
浮船の里に聞こえる独特の音たちをイメージした。
機織りの音、お蚕様の桑を食む音……。
確かに、この場所は色と音に溢れている。

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MIMORONEの色が、小高から、みんなを幸せにする。
私たち夫婦もいつか、そんなものを作りたい。
そんな話を日に焼けた帰り道、話していたのでした。

参加させていただき、ありがとうございました。

(木田修作)

小高天織

2015年9月22日

 2015年シルバーウィーク、久しぶりに訪れた浮船の里では、縦糸にも横糸にも小高で育てたお蚕様の繭から取った正真正銘小高産の糸を使い、京都からはるばる届いた明治時代の織り機によって、ついに小高天織が織られ始めていました。

– * –

 明治時代の織り機はバラバラの状態で浮船の里に届いたのですが、織姫が「博物館等で見た織り機はこんな感じだったはず!」と想像しながら組み立てたそうです。

– * –

 下の写真、この三色の帯が小高天織の印になる予定で、この色は小高を象徴しています。

 赤は紅梅の里。緑は懸の森。青は群青。

– * –

 小高天織を織っている様子を短いムービーにしてみましたのでご覧ください。

 

(く)

学生ボランティアさん達と桑の剪定

2015年5月3日

去る3月28日から29日に、今年のお蚕様のための蚕部屋の増築と桑の剪定をしました。

今年は浮船の里のメンバーと協力してくださる方の人数が少し心細いところに、大学生ボランティアさんが2泊3日で駆けつけて下さいました。FB_IMG_1429942338233「はぴばす☆ふくしま」という、若者の力を必要な所に届ける活動をされている下枝さんが、大学生を8人も連れてきて下さいました。FB_IMG_1429942397359初日は蚕部屋の増築や、掃除やスペースの確保も協力して取り組んで頂き、早く予定をこなすことが出来ました。やはり若い力はとても頼もしいです。FB_IMG_1429942438185

二日目はお借りしている桑畑で剪定のお手伝いをしていただきまして、予定よりもかなり早くに終わらせることが出来ました。すごいです。OLYMPUS DIGITAL CAMERAOLYMPUS DIGITAL CAMERA

お昼ご飯をみんなで一緒に食べた後、活動の振り返りの場でそれぞれが自分の感じた事や分かった事などを発表してくださいました。

「ここに来ないとわからないこと」「来て、自分の目で見て、話して、本当にどことも変わらないこと」「これからの自分の見つめる方向」など、小高で何かを感じていただけたようでした。

この体験が大学生たちにとって何かの良いきっかけに繋がれば嬉しいと思っています。

「はぴばす☆ふくしま」で参加してくださった皆様、本当にありがとうございました。FB_IMG_1429942361511

 

 

 

3日目 ワークショップと整経

2015年4月14日

3日目、金田さんの奥様によるワークショップ「糸かけ曼荼羅」がありました。

昨年末に私たちが先に体験していました。きれいな糸と、数だけをひたすら追うという単純な作業なのですが、その単純さに隠された「無」の時間と自分の深層心理が作品に現れるという、なんとも不思議で面白くて充実感たっぷりのワークショップなのです。

今回は5名様の参加がありました。どんな作品が出来上がるでしょうか?

皆様とても真剣に取り組んでいます。誰も喋らない、見ているこちらが息をするのも憚られるような雰囲気です。それだけ、集中しています。OLYMPUS DIGITAL CAMERA

皆様方がワークショップの間、ずっと疑問が残っていた整経の大まかな流れを教えていただきました。OLYMPUS DIGITAL CAMERA

やはり実際に順を追って説明してもらい、その時の動きを目で見ないとわからないことがあるので大変助かりました。基本をしっかり身につけたあとは応用していけばいいのです。OLYMPUS DIGITAL CAMERA

ワークショップのほうは、お昼ご飯も食べずに一生懸命取り組み、早い人で5時間、一番かかった人で7時間でした。OLYMPUS DIGITAL CAMERA

器用・不器用に関わらずひたすら自分との闘いを終えた参加者の皆様。その人のイメージと作品のイメージが同じ雰囲気とは限らないのが、この糸かけ曼荼羅の面白さだと思います。

これだけの為にあんなに時間を使ったのは初めてかもしれません。皆様のあふれるほどの充実感に満ちた笑顔がとても印象的でした。

誰がどれを作ったでしょうか?順番は関係ありませんので、当ててみてくださいね。OLYMPUS DIGITAL CAMERA

今回も金田さんが来てくださって、染色から糊付け、機揚げとまた新しい扉を開くことができました。一歩一歩、確実に進んでいる実感が湧いています。金田さん、いつも本当にありがとうございます。

進んだ先に何が見えてくるのか、これからどうしていきたいのか、選択肢が広がってきました。

少しずつではあります。ゆっくりでもあります。

そろそろ自分たちの目指すものは何か?を真剣に考える時が来ていると思います。

避難指示解除まであと一年になりました。

ここに帰ってくる人はもちろん、遠くからでも来て下さる方が「小高」を知るためのきっかけに、お蚕様があるといいなと思います。

お母さんやおばあちゃんたちが家族のためにと蚕を飼い、機織りをし、貧しくても助け合いながら生活をしていた時代の文化。便利さを求めて捨ててしまったものです。

理事長がいつも言っています。

「最初に戻ろう、きっとまたやり直せる。今度は焦らないで、ゆっくりゆっくり、みんなで一緒に。」

 

震災からの4年は、きっと生きることを考え直すチャンスだったんだ、と私は思っています。

大切なものは何か、守りたいものは何か、伝えたいものは何か、ふと立ち止まって考えたいですね。