3日目、金田さんの奥様によるワークショップ「糸かけ曼荼羅」がありました。
昨年末に私たちが先に体験していました。きれいな糸と、数だけをひたすら追うという単純な作業なのですが、その単純さに隠された「無」の時間と自分の深層心理が作品に現れるという、なんとも不思議で面白くて充実感たっぷりのワークショップなのです。
今回は5名様の参加がありました。どんな作品が出来上がるでしょうか?
皆様とても真剣に取り組んでいます。誰も喋らない、見ているこちらが息をするのも憚られるような雰囲気です。それだけ、集中しています。
皆様方がワークショップの間、ずっと疑問が残っていた整経の大まかな流れを教えていただきました。
やはり実際に順を追って説明してもらい、その時の動きを目で見ないとわからないことがあるので大変助かりました。基本をしっかり身につけたあとは応用していけばいいのです。
ワークショップのほうは、お昼ご飯も食べずに一生懸命取り組み、早い人で5時間、一番かかった人で7時間でした。
器用・不器用に関わらずひたすら自分との闘いを終えた参加者の皆様。その人のイメージと作品のイメージが同じ雰囲気とは限らないのが、この糸かけ曼荼羅の面白さだと思います。
これだけの為にあんなに時間を使ったのは初めてかもしれません。皆様のあふれるほどの充実感に満ちた笑顔がとても印象的でした。
誰がどれを作ったでしょうか?順番は関係ありませんので、当ててみてくださいね。
今回も金田さんが来てくださって、染色から糊付け、機揚げとまた新しい扉を開くことができました。一歩一歩、確実に進んでいる実感が湧いています。金田さん、いつも本当にありがとうございます。
進んだ先に何が見えてくるのか、これからどうしていきたいのか、選択肢が広がってきました。
少しずつではあります。ゆっくりでもあります。
そろそろ自分たちの目指すものは何か?を真剣に考える時が来ていると思います。
避難指示解除まであと一年になりました。
ここに帰ってくる人はもちろん、遠くからでも来て下さる方が「小高」を知るためのきっかけに、お蚕様があるといいなと思います。
お母さんやおばあちゃんたちが家族のためにと蚕を飼い、機織りをし、貧しくても助け合いながら生活をしていた時代の文化。便利さを求めて捨ててしまったものです。
理事長がいつも言っています。
「最初に戻ろう、きっとまたやり直せる。今度は焦らないで、ゆっくりゆっくり、みんなで一緒に。」
震災からの4年は、きっと生きることを考え直すチャンスだったんだ、と私は思っています。
大切なものは何か、守りたいものは何か、伝えたいものは何か、ふと立ち止まって考えたいですね。
富岡市と言えば、世界遺産に登録に登録された富岡製糸場がある町ですが、そこで養蚕から糸作り、染めまでをご夫婦でされている 金田さんにお会いしてお話を伺うのが今回の目的です。
これまで我々も、養蚕、真綿づくり、機織り・・・と着実にできることを積み重ねてきましたが、糸作りに関してはまだなにもメドが立っていないという状況でした。
分業化・効率化が進む歴史の中で、我々の地域には「養蚕」「機織り」という産業があっても、その間に必要な「製糸」という産業がそもそも存在しませんでした。そのため、あらゆる人から「糸作りが一番大変」と口々に言われておりました。
でも実際に、ご夫婦で養蚕も糸作りもされている方がいらしゃるわけで・・・どれだけ「大変」なのか、そもそも何が「大変」なのか、何もわからないので、実際に行ってお話を伺おうと思ったわけです。
「大変」にもいろいろあります。しかし、実践されている金田さんご夫妻のお話と作業場を自分の目で見ることで、少なくても技術的な面での「大変」は努力次第でクリアしていけそうという実感を得ることができました。
さあ、これで100%小高産のシルク製品の完成までの道筋が見えてきましたよ。
金田さん、ありがとうございました!またお邪魔します!
■繭織工房
http://ameblo.jp/mayuorikobo/
河北新報にお蚕さまプロジェクトが掲載されました。
「とにかくみんなと力を合わせて、笑いながら楽しみたい」
今日はお蚕さまを飼う部屋作り!
養蚕に向けての準備を着々と進めています。
まずは、500匹のお蚕さまが6月13日に届きます。
今日は、お借りした桑畑で桑の木の剪定をしました!
皆でやる農作業は楽しくて、世間話をしながら笑顔で良い汗をかきました。
桑の木を育てて、本格的に養蚕ができる体制が整いつつあります。