瞬く間

2023年6月30日

梅雨まっただ中のむわーっとした空気のなか、繭かきのために小高に来ました。

カイテンから蔟(まぶし)を外し、脱走兵を捜索して、もれなく回収。

今年もやっぱり場外営繭した子たちがいました。
1枚目は分かりやすいですが、2枚目の写真でどこに繭があるか分かったら、なかなかいい目をお持ちです。

雨予報のため予定時間よりも30分早い行動で、8時半過ぎには佐藤家に到着。


つぶれた繭や弱い繭がないか光に透かしてチェックして、マユクリン始動です。

おとうさんが機械を操り、里美ちゃんがアシストし、わたしは繭の外れた蔟(まぶし)をリレーして久米さんがケバ取り機にかけ、おかあさんが束ねる。

バトンがうまく渡り続け、繭かきは20分ほどで終わりました。
続いてはいちばん楽しみな時間、、お茶っこ!

おかあさんの特製お漬物とおまんじゅう、おせんべいを囲んで一服です。


幸い、おとうさん・おかあさんともに「いい繭が出来たねぇ」とのお言葉をいただけました。

おかあさんのこのかわいらしい笑顔に、いつも癒やされます。

 

浮船の里に戻り、あとは数える作業だけ。
袋詰めする前に山を作ってみました。

100ずつ数えながらの作業も、おしゃべりしながらだとなんか楽しい。

 

今年の春繭は4,300個弱出来ました。

蚕部屋をきれいにお掃除して、おしごと終了。

19回目の養蚕は、最初のお蚕さまのお迎えにしか参加できず、次に会ったらもう繭になっていて、瞬く間でした。

今日は夏越の大祓え。ことし半年を無事に終えられたこと、春繭を無事に育てられたことに感謝です。
9月の秋繭まで、ほんの一休みいたします。

9年目

2023年6月8日

3月の桑刈り以来、ひさびさの小高。
すっかり夏の気配で、浜風が爽やかに吹き抜けます。

9年目の春繭スタートの日。
佐藤さんの桑畑をのぞくと、順調に生育した桑が青々と葉を茂らせていました。

蚕部屋の準備も万端、浮船の里の木製ベンチテーブルの上に広がる久米さんの記録帳が、始まりを告げています。
7時前に浮船の里を出発して、田村市都路の稚蚕配布所を目指しました。
お蚕さまをお迎えに行くのは5度目くらい。
蚕のお迎えは春と秋の年2回の行事ですが、わたしが行くのは決まって春だけ。
毎回初めて通る道のような気がするのは、除染や伐採、道路整備などで少しずつ景色が変わっているからなのか、いつも新鮮な気分です。

5,000頭のちいさな蚕をいただきました。

 

いまは3齢で寝ている状態の蚕さんたち。
眠りから覚めて4齢に入るとき、すぐにお食事ができるよう桑の葉を細かく細断して、一緒に入れてくれています。

行きに1時間、帰りも1時間。
のんびり、だけど蚕たちになにかあってはいけないので慎重に運転しながら、無事に浮船に帰ってきました。

そうそう、初めて知ったことがひとつ。
今までなにげなくお世話していた蚕ですが、今年は血統書付きでした!

春嶺と鐘月の掛け合わせだそうです。
すでに午前中に浮船についた蚕たち、午後には脱皮して起きたそうなので、今日はすでに4齢の2日目。

無事にゴールできますように。(裕)