笑顔が咲いた秋まつり

2015年10月22日

横断幕

10月17日と18日、小高に賑わいと笑顔があふれました。復活!秋まつり―。

商工会の女性部がカレーやうどんを売ったり、JAの職員さんが焼きそばを作ったりするテントに並び、
浮船の里からは、織姫の里美さんが小高の植物で染めた手ぬぐいと手作りとんぼ玉のストラップセットと、
手染めの糸で織ったコースターを、聡子さんが鮮やかにディスプレイしました。

久米さん

隣のブースにはアンテナショップ・希来のハンドメイド品、その隣には杉内さんの新鮮有機野菜が並びました。テーブルの下にはのらとも農園のサクラソウもスタンバイ。

野菜

午前10時を過ぎたころから、普段は誰もいない通りに、本当にたくさんの笑顔が生まれはじめました。あちらこちらで「元気だった?」「どうしてたの?」という声とともに、互いの肩に手をかけあう人たちの姿が。

おまつり1日目に印象的だったのが、小高中学合唱部の生徒さんのステージです。女子6人、男子3人がやや緊張の面持ちで3曲披露しました。

合唱部最後の曲は『群青』。平成24年度の卒業生が、音楽の先生と一緒に作った曲です。少し長いですが、歌詞を掲載します。

『群青』
ああ あの町で生まれて 君と出会い たくさんの思い抱いて
一緒に時間(とき)を過ごしたね
今 旅立つ日 見える景色は違っても
遠い場所で 君も同じ空 きっと見上げてるはず

「またね」と 手を振るけど 明日も会えるのかな
遠ざかる君の笑顔 今でも忘れない

あの日見た夕陽 あの日見た花火 いつでも君がいたね
あたりまえが 幸せと知った 自転車をこいで 君と行った海
鮮やかな記憶が 目を閉じれば 群青に染まる

 

あれから2年の日が 僕らの中を過ぎて 3月の風に吹かれて 君を今でも思う

響け この歌声
響け 遠くまでも
あの空の彼方へも 大切な すべてに届け

涙のあとにも 見上げた夜空に 希望が光ってるよ
僕らを待つ 群青の町で

きっと また会おう
あの町で会おう
僕らの約束は 消えはしない 群青の絆

また 会おう 群青の町で・・・

それぞれの人が、いろいろな想いを抱いてこの曲を聴いていたのではないでしょうか。
わたしは普段小高に暮らしてはいませんが、それでも胸につまるものがありました。

浮船の里のブースは、たくさんのお客さんで賑わいました。あっという間に過ぎた一日の締めくくりは、鎮魂と小高の再興を願う花火の打ち上げ。

花火

橋の上に並んで座る人たちは、夜空を黙って見上げました。

 

2日目、浮船の里の理事長・久米さんは朝から落ち着きません。
それもそのはず、この日は大舞台が待っていたのです。
世界で活躍する美容師・野沢道生さんの「ヘアショー」に、モデルとして出演することになっていました。

ショーは郡山市にある、国際ビューティー・ファッション専門学校の生徒さんのウォーキングから始まり、続いて小高の人たちが次々にモデルとして登場しました。
観光協会の佐々木さんや区役所職員の村井さんファミリー、希来の店長・脇さんご一家、そして久米さん―。
みなさん、普段とは別人のようでした!髪をセットし、メイクをほどこし、衣装も着替え、完全に「なりきって」いました。出演する人も笑顔、見ている人も笑顔、のとても素敵なショーだったと思います。

みんな

こうして、楽しかった2日間は瞬く間に終わりました。
小高には、また静かな日常が戻ったでしょうか。
あの2日間、小高駅前の通りに集った人たちの顔を、わたしは決して忘れないと思います。そして、集った人たちを迎えてくれた、大井のコスモス畑も。パレットのように鮮やかなその光景は、胸にしっかりと刻まれました。
コスモス