蚕はかいこ

2023年9月26日

浮船の里で秋の養蚕が始まってから、今日で1週間。

5齢といい、いちばん食欲が旺盛な時期に入りました。

春はお手伝いがまったくできなかったので、せめて秋は。。
小田原からやってきました。

今朝の小高、空がやさしく染まっていきました。

同じ日に生まれた蚕たちですが、成長の度合いはそれぞれ。
右の子が通常サイズ、左の子がゆっくり目の子。

みずみずしい桑の葉を食べる気は、それぞれ満々です。

昨年はなにかと気を揉んだ桑の生長も、今年は満点!
久米さんの背を越えるほどの高さで、逆に刈るのが一苦労です。

 

「大きめの束を5つね」

9年近く通っても、未だにハサミの使い方と枝の伐り方がヘタなわたしは、久米さんが刈った桑を束ねて車に運ぶ係。

これもいい汗をかくのです。

浮船号、こんなにたくさんの桑を積んで走ります。

今日の蚕部屋のBGMは久米さんが好きな、島津亜矢さんのカバーアルバム。
シブい声で流れる「かもめはかもめ」を、聴くともなしに聴きながら、蚕はかいこで私はわたし、と、なんとなく今日のブログのタイトルが決定しました。

 

それはさておき、畑での桑刈りと蚕部屋のお掃除が終わり、脱ぎ捨ててあった上っ張りをなにげなく拾い上げると。。。

 

またー!

蚕さんをくっつけて、あやうく誘拐騒ぎです。
ほんと、久米さんには蚕がよくくっつく。

午後も1頭、一緒にお出かけしかけていました。

 

お昼ご飯で一休みして久米さんは早くも上属の準備に取りかかります。
蔟(まぶし)をきれいにする作業。

秋風が気持ちよい外で、蔟を一生懸命にブラッシング。

シャッシャッと小気味よい音をたてて、春の蚕たちが残した繭作りの名残を丁寧に手入れします。

蚕部屋の桑を確認して、今日はいったん退出です。

 

日の暮れるのが、ずいぶん早くなりました。

小高の空は本当に広くて、さざ波だっていた気持ちが落ち着きます。

夜、桑をもう少し足して、あすの朝までゆっくりお休み。

また5時に、ご飯をあげにくるからね。

(ゆ)