脈打ついのち

2020年6月27日

 

5日ぶりの太陽がでました。

ひと刷毛したような色合いですが、それでもうれしい青空です。

浮船の里の蚕部屋では、五月雨が降っていました。
もとい、目を閉じると、五月雨かと思うような蚕の食事の音が静かに広がっています。
さわさわ、さわさわ。
桑を歯で噛む音なのか、体と桑が触れ合う音なのか。

 

5齢も後半にさしかかり、真上から見ると背脈管がくっきりと見えるようになりました。
体の中心を通る管が、写真で伝わるでしょうか。

 

尾部から頭部に体液を送っているそうです。
この脈打つリズムが早いと元気な証拠、と教わりました。
ドクドク、ドクドク。
いのちの鼓動。

 

今日はお掃除の途中で、こんな色のお蚕さんを見つけました。


下が一般的な色です。なめらかな白色。
脱皮ができなかったのかなぁ、と久米さん。
無事に繭になれるかどうか、特別室で見守ることになりました。

 

1日の終わりには、久しぶりの夕焼け。
小高川の土手を歩いていると、夏の匂いがしました。
かつて山小屋で暮らしていたときに、山で香った、夏の匂い。
ふと、記憶を刺激される、6月最後の土曜日です。

 

(裕)