無事に

2020年6月29日

 

昨日ずーさまのお知らせが来たので、今日は上蔟と決まっていました。
晴れわたり、爽やかな風の吹く朝。繭になっていただくには、ぴったりの始まりです。

 

 

昨日先に一つだけ吊った蔟(まぶし)に入れた蚕さんたちが、光に透ける繭を作り始めていました。
その下には、脱走しそうになっている蚕たち。
「繭になる準備ができているんだよ!」と言っています。

フライングして、蚕ベッドの隅に繭を作りかけた形跡も。

里美さんと久米さんと、組み立てた蔟に蚕たちを移す作業からスタート。

お椀片手に、蚕さんたちを数えて拾う、の繰り返し。

蚕は上にのぼっていく性質があるそうで、区切られた蔟の部屋に入ろうと、もぞもぞ動きまわります。

ちょっと目を離すと、こんなふうに場外に直立していたり

苦しくないのかしら、仰向けになっていたりするのでビックリします。

3頭並んで繭づくりを始めた仲良しさんたちもいました。

こうして5,000頭の蚕をすべて蔟に移したところで、2週間寝ていただいた蚕のベッドは解体。
床もきれいに掃除して、今度はすべての蔟を天井から吊る作業です。

久米さんと里美ちゃん、息を合わせて、7年目の春繭のラストスパートにかかります。

これが終われば、あとはお蚕さまたちに、ただひたすらに糸をつくってもらうだけ。

2週間にわたり毎日、桑を運んでくれた浮船号も、今日で一段落です。
久米さんにピカピカに掃除をしてもらい、車内に香っていた桑の匂いとも一旦おさらば!

無事に5つの蔟が天井から下がり、あっという間に上蔟の1日は終わりました。
まだ部屋が決まらない蚕たちが、もぞもぞもぞもぞ。

蔟が床から目の高さに移動したので観察がしやすくなりました。
繭になる準備が整った飴色の美しい体に、目が釘付けです。

 


上蔟初体験のわたしは、とにかく足を引っ張らないように緊張しっぱなし。
くたびれました。。。

ほっとして、1日の終わりにはいつもの夕景を。
今日の空は、清々しいのにどこかさびしいブルー。
カエルの大合唱を聞きながら、浮船の里に戻りました。

 

蚕部屋では一生懸命、お蚕さまたちが繭をつくっています。
かわいらしい、ピーナツみたいな繭が早くも出来ていました。


(裕)