11月ももうすぐ終わり。
本格的な冬がくる前に、小高を訪れました。
淡くやさしい夕景が、小高駅の向こうに広がります。
皆既月食2日後の朝、澄み切った小高の空に登った太陽の対面に
「じゃあ、わたしは今から休みます」と、まだ、ほぼまんまる(に見える)のお月さま。
冷たい空気が頬に気持ちいい、冬一歩手前の、朝の景色です。
いつも通り-。
いつ小高に来ても、なにか特別なことがあるわけではなく、ただ普通に〝その日〟を過ごします。
りんごが美味しい季節だし、新知町までドライブしながら買いに行こうか。
たわわに実ったりんごの赤や銀杏の黄金色に目を奪われながら、小高に帰り着く目前で、桑畑をお借りしている佐藤さんご夫妻を訪ね
「分けてください」とおねだりしました。
鈴なりに実った柚子です。
お漬物に少し入れれば香りがいいし、柚子湯にすればあたたまるし。
高いところにある立派な形の柚子に手を伸ばすお父さん、「もっと右にいっぱいあるよぉ」と脚立を支えるお母さんの声援を受けて、
たくさん取ってくださいました。
手塩にかけた白菜に青梗菜、大根にネギなど抱えきれないほどのお土産をいただいて帰り着き、あとは久米家の台所でおしゃべり。
夕方5時から点灯するイルミネーションを見て帰ろうと決めていたものの、ぬくぬくと暖かい場所と時間を置き去りにして、
寒くて暗くなった外に出るのは、なんともさびしいものでした。
いつも通り、片道4時間半。
真っ直ぐな常磐道、くねくねした首都高、明るさに包まれる東名を走ってわが家に帰り着くと、
ついさっきまでいた小高は、「すぐそこ」くらいの感覚です。
なにも特別なことがなくてもいい。
なにも変わらないことを確かめて安心する。
いつも通りの小高がありました。
1枚も登場しないと皆さんさびしいと思うので、最後に久米さんの姿を。
イルミネーションの点灯式前に、同級生が集まって組んだバンドでキーボードを演奏する久米さんです。
小首をかしげて、一生懸命。
ジングルベルもいいけれど、「二人の銀座」や「シェルブールの雨傘」もなかなかどうして、イルミネーションとマッチしていました。