バッタンバッタン

2016年6月29日

きのうの小高は雨。たぶん梅雨だから。そう思いたい。

とはいえ「私が小高に来たときの雨が降る率」は半端ない。

弱音を吐きそうになるが、 それでも笑顔で迎えてくれるここの人たちが本当に好きだ。ありがたい。

そのたびに、雨が降ろうが槍が降ろうが、またここに来ようと思う。

 

いきなり締めのような話になってしまったが、きのう浮船の里にお邪魔した。

いつぶりかと思って手帳のページを繰ってみると、3月以来だった(はず)。

その間に春がきて、もう夏になろうとしている。 変わるものもあれば、変わらないものもある。

 

さて、今回は機織りを体験したのだ。

いつもは遠巻きに眺めて「いいなぁ、手仕事の道具は」なんて思っていたのだけれど、

いざ座ってみると緊張感が違う。何かこう「ピン」とした気持ちになる。

私たちが到着したとき、経糸はもう張ってくださっていて、

緯糸を織って、コースターを作る作業を体験させていただいた。

 

糸と糸を組んで、一枚の布を作るというのは、 途方もない作業のように思えたのだけれど、

実際始めてみると慣れないながらも、目に見えて進んでいくから楽しい。

糸を通して、バッタン、バッタン。また糸を通してバッタン、バッタン。

その繰り返し。

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作業は単純なのだけれど、 織っていくうちに複雑で繊細な表情を表していく。

最初は想像もつかなかった表情だ。それがまた驚きと感動に拍車をかける。

 

バッタン、バッタン。

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そして、調子に乗っていると失敗する。雑になる。ほどいて、やり直し。

「ほどいてやり直せるよ」と島抜さん。

「絡まってやり直せなかったら、切っちゃえばいい」と久米さん。

やり直しのきくもの、ダメなら切っちゃえるものは、 世の中にあんまりないなぁ。

などと思いながら、バッタン、バッタン。

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こうして、夫婦で9枚のコースターができた。

私たち夫婦は、いつか人が集まることができる場所を 自分たちで作りたいと思っている。

そのときに、このコースターでコーヒーを出したいと思った。
もう少し数が必要かもしれない。

 

木田修作