この時期だけの仕事、「藍の生葉染め(なまばぞめ)」。浮船の里手芸部の面々が集まって、8月21日に染めを体験しました。先生は織姫の里美さん。
畑に藍を摘みに行く里美さんとふみえさんの恰好は、〝勇猛果敢〟と表現するのによさそうな、臨戦態勢。麦わら帽子、長靴、かっぽう着に身を包み、カゴと盥を持って出かけてゆきました。
摘んできた藍をちぎり、水とともにミキサーへ投入。木綿袋で濾すと、独特の青臭さがたちこめ、とろっとした緑色の液と泡が。水通しした糸や真綿をゆっくりと浸し、待つことしばし。深い沼の底に沈む藻のようなそれらを液から引き上げると、緑。空気に触れ水に晒すと、緑が抜けて美しい藍色が生まれます。それはもう、感動の嵐。感触、視覚ともに初めてだらけで、楽しい。
染めあがりを洗濯バサミに吊るして、乾燥。水分が飛ぶと、色が落ち着きます。
それより先に、朝いちばんで久米さんに「手びき」を教えてもらいました。繭100個を煮ながら両手を使い糸にする、前日のアレです。
見るとやるとは大違い。とにもかくにも、貴重な体験でした。100本もの細い糸が自分の手の中に集まり、鍋の中で踊ったあとに1本にまとまるのもおもしろければ、繭の中の方、つまりお蚕さまがはき始めたころの糸に近づいてくるとだんだんと手に伝わる糸が明らかに細くなっていくのが分かるのも、おもしろい。
しばらくは久米さんの「手びき」が続くようです。体験してみたい方、1時間〝無の境地〟になれますので、浮船の里を訪れてみてください。ともあれ、紡いだ糸には並々ならぬ愛着がわくことは間違いありません。こちら、成果です。
湿気がものすごい8月20日の小高。村上海岸はもやがかかって真っ白です。今日も朝から、浮船の里は忙しい。久米さんは、5月に育てたぐんまこがねの「手びき」に挑戦しています。
繭100個を鍋でくつくつ煮る→糸口を見つける→左手でまとめながら右手で送る。
文字ではちんぷんかんぷんだと思いますので、写真を。まず繰りはじめる前の繭玉が、感動的に美しいことをお伝えしたいです。
久米さん、楽しそうに手を動かしていますがご本人いわく「結構、必死!」だそう。見ているこちらは、お鍋のなかで繭玉がぷくぷく踊るのがかわいらしくて。動画は久米さんのフェイスブックでご覧いただけます。
こうして直径60㎝の盥にふんわりと、糸が繰りあがりました。
こちらはその前に繰り終わっていた白。
きょう8月7日は立秋―。降り注ぐセミしぐれをしり目に、暦の上ではもう秋なのですね。7月最後の土曜日に行われた芋こじ会の様子を、1週間も寝かせてしまいました。
35回目の芋こじ会は、4月にカンボジアを訪れた久米さんの訪問記上映会から始まりました。あとでもう一度じっくりとビデオを見た「浮船の里手芸部」の面々は、自分たちとは異なるお蚕さまの育て方やカンボジアの風土に興味津々。
ビデオ鑑賞のあとは、手芸部のこの日の本題!秋まつりへ向けて、コツコツ励んでいる巻玉つくりの今後について話し合いを行いました。里美さんの染めた糸を見せてもらいながら、あーだこーだ。自然の素材が生む色の風合いは、絹糸の光沢に決して負けません。
ひとまず、巻玉をたくさん作り、10月15 ・16日の秋まつり前に一気に製品化しよう!ということだけ決定。あとは黙々と各自が手を動かすのみ。