春を告げる

2022年3月25日

3か月ぶりの小高です。

 

暦の上ではすっかり春、けれど現実世界では関東・東北が雪に見舞われた3月24日、小高にやってきました。
目覚めると、うっすら霞がかかった空に輝く太陽。
やっぱり東北は空気が冷たいなぁ、と思っていたら、夜のうちにまた雪が降ったようでした。
久米家の庭の葉ボタンが薄化粧。

今日は2022年のお蚕さまはじめ、桑刈りです。
桑畑をお借りしている佐藤さんご夫妻と東京電力の社員さんに助けていただき、冬を越した桑の枝を切り、新芽の成長を促す大切な作業です。

日が昇り、土がぬくぬくと温まってきた畑からは蒸気がゆらゆら。
畑の斜面にはタンポポやフキノトウが顔を出し、テントウムシがあっちこっちでウロウロ。
東北にも春が来たことを実感します。

 

 

 

 

手のひらを広げて3つ分。太い枝を45センチほど残して刈り揃え、細い脇枝は根本から伐る桑刈りは地味な力仕事です。
地味だから、人手があると本当に助かる。
「毎年お手伝いに来て下さる東電さんには感謝だ~」と久米さんは言います。

伸び放題の桑ですが、去年はたくさんのおいしい葉っぱを恵んでくれました。

佐藤家のおかあさん・ヨシ子さんは黙々と手を動かします。
空気が澄んで、空がきれい。

 
左奥に見える、肥料まき部隊の仕事もなかなかハードです。
一袋20キロをリュックサックに全部あけ、リュックに接続したホースを上下に揺らし、左右に振りながら桑畑を練り歩きます。

 

作業開始から3時間、桑はすっかりきれいに刈られ、地面にはたっぷり肥料が行き渡りました。

かたそうな蕾を孕んだ桑。
刺激を与えられ、温まる空気に包まれ、これからどんどん成長してくれるのを楽しみにします。

去年は10,000頭のお蚕さまに悶絶した浮船の里。
今年は例年通り5,000頭を育てる予定ですが、どんな物語がうまれるのでしょうか。

余震は絶えず続いていますが、小高は元気です。(裕)