証(前編)

2021年6月24日

数日前に、東北も梅雨入りしました。
今朝の小高は澄んだ青空も一部広がりつつ、爽やかな空気です。

この広い空、だいすきです。
ただいま、小高。

さて、今日は「繭かき」。
営繭から10日が経ち、すっかり糸を吐き終わったお蚕さまを、蔟(まぶし)から外す日です。

入居率がほぼ100%の蔟。こんなにみっちりお部屋が埋まる状況は、過去にありませんでした。
これはちょっとよくない。なぜよくないかは、後編で説明します。

こちらは例年通り、脱走する蚕たち。

 

 

 


どこにいても、里美ちゃんの厳しい目は見逃しません。
これを見落とすと、あと4,5日後にはふわっふわの真っ白なモスラが登場することになってしまうから。
とりあえず今年は、目に付くところにばかり脱走してくれたので、ぜんぶ回収できました(はず)。

ちなみに脱走こそしないものの、なにもこんなところで営繭しなくても、と思うような蚕さんたちも例年通り。

一緒が良かったのね。

そして本当に小さくちいさく、お部屋の片隅に営繭したお蚕さま。
愛おしいです。

 

繭かきは、桑畑をお借りしている佐藤さんご夫妻に協力を仰ぎます。
90枚の蔟を積んで、一路佐藤さんのお宅へ向かいます。
今日が終わればことしの春繭はひとまず終了、と思うと自然とみんなの顔がほころぶような。
(そのくらい10,000頭の養蚕は大変でした。。)
浮船号の後部座席から、里美ちゃんと蔟を激写。

すぐに佐藤さん宅へ到着しました。

繭かきの前には大事な作業があります。営繭の途中で力尽きたお蚕さまを探して、先に取り除くこと。
これをしないと繭を取り出す機械の中で蚕が潰れて、他の繭を汚してしまうのです。

 

蔟を光に透かしてチェックする里美ちゃんの横顔は、真剣。

 

整列した繭も、ここで見納め。

 

佐藤さんご夫妻です。
公一さんが蔟をマユクリン(機械)に入れ、ヨシ子さんが取れた繭を袋に詰める。
さすが、抜群のコンビネーションです。

 

最後なので、自称ブログ担当もちょこっと登場させていただこう。
自慢のたくましい上腕二頭筋(で合ってるかな)にモノを言わせて、繭の詰まった土嚢袋をヨイショ!

といいながら、実は全然重たくないのですが。。

 

こうして繭かきは無事に終わりました。
その後は、楽しみにしているお茶っこの時間。
ヨシ子さんお手製のきゅうりのお漬物とおせんべいを囲んで、お疲れさま会です。

最後までやってくれました、久米さん。
里美ちゃんによると去年もやっていたそうですが、長椅子の端っこに一人で先に腰掛け、自重でひっくり返りそうになり、絶叫!
大笑いしながら写真を撮って、あとで見返してまた笑う。
両手ですがりつく久米さんに対し、冷静に腕を貸す里美ちゃん。

繭かきに同行した小高区役所のKさんとYさんも、びっくりしながら大笑い。
二人で一緒に座りましょ、ということを、来年はちゃんと覚えているといいね、久米さん。

ひとまずここまでで前編終了です。
繭はいったいいくつ出来たでしょうか。
浮船の里に戻ってのカウント結果含め、お楽しみは後編へ!

 

(裕)