胸いっぱいに吸い込む、懐かしい香り

2018年6月24日

おはようございます!小高の広い空に包まれて、気持ちのよい朝です。
今期のお蚕さまがはじまりました。小田原から(強力な?)助っ人が4人、やってきました。

日焼け対策に加えて桑にかぶれぬよう完全武装して、佐藤公一さん・ヨシ子さん夫妻の桑畑での桑刈りからスタートしました。
青々とした葉は柔らかく、ヒトのわたしが見てもおいしそう。ご夫妻に刈り方を教えてもらってからハサミを動かします。

公一さんは黙々と手を動かし、久米さんはじめ助っ人たちの3倍くらいの早さで桑を積み上げていきます。寡黙だけれど、笑顔がすてき。

 

ヨシ子さんはお嫁入りが決まった時、蚕の育て方を習ってから小高に来たそう。秋の養蚕用に根本までしっかり枝を切り、次の芽を出すべく桑の手入れをしています。
6人で切れば30分ほどで、抱えるくらいの桑が5束刈れました。これで今日一日分のお食事は確保です。浮船に戻って、新鮮な桑を食べてもらいましょ。いちおう、小高のかあちゃんは元気です、というお知らせも。この笑顔です。

このブログのタイトルは、昨晩小高に到着して、浮船の里の蚕部屋の引き戸を開けたときの感想です。25度の室温に、桑の青い匂いと4000頭のお蚕さまたちの生命力が混ざり、独特の香りがするのです。そしてそれは、わたしが大好きな香り。「ただいま」とすんなり言ってしまう、小高の香りです。

いよいよお蚕さまは5齢目に入りました。高校生くらいの食欲で、元気にモリモリお食事をしています。(裕)

5年目に向けて

2018年3月17日

2013年4月の、浮船の里の設立から丸4年が過ぎようとしております。

この4年の間に、小高に泊まれるようになって、住めるようになって、鉄道が通り、学校が再開して子供たちが通うようになりました。

大きく深い傷が少しずつ少しずつ癒えていくように、内外の区別のない人々の営みが「小高」に血を通わせ始めています。

人生観が変わるほどの出来事に怒り、悲しみ、苦しみ続けてきた今、次に訪れるであろう内なる虚無や脱力感で目的を見失うことのないよう、気を引き締める時に来ていると思います。

これまで震災を機に、私たちの地域に心を寄せてくださっている方々と過ごしたかけがえのない4年間は、これからの浮船の里にとって大切な道標になります。

応援してくださった方、今でも心を寄せてくださっている方、交流してくださっている方々に、深く御礼申し上げます。

本当にありがとうございます。

今年の浮船の里は、本当の自立に向けて歩を進めてまいります。

いただいた恩で根を張り、大きく葉を広げ、想いが実るまで。

 

今年も小高に春が来ます。

 

お久しぶりです!

2018年2月10日

半年ぶりに帰ってきました、小高。ちょっと曇っているけど、相変わらず空は高く広く、穏やか。

里美ちゃんは新しいストールの仕掛けをし、久米さんはベンチに座っておしゃべり。暖かな陽がさんさんと差し込む浮船の里も、相変わらずです。

農林水産省から届いたばかりという冊子を見せてもらいました。『aff(アフ)』。〝蚕業革命~歩み出した絹復活への道~〟と題した特集の1ページに、浮船の里が世に送り出した「MIMORONE(ミモロネ)」のピアスが掲載されています。同じページで紹介されている、最先端の遺伝子工学で作られた光る絹に比べると、浮船の養蚕は自慢じゃないけれど超アナログ。お蚕さまを育てるベッドも手作り、食糧の桑は必用な時に必要なだけ、その場にいる人が刈りに行き、繭になったお蚕さまを糸に紡ぐのも、すべて手作業です。

養蚕を経験したことのある人、見て知っている人には、当たり前の工程だと思います。でも養蚕が身近でなかったわたしには、なにもかもが新鮮で、興味の対象でした。
さらにMIMORONEは、糸染めも小高産の植物が中心。桜や藍、桑や玉ねぎなど、小高の空気の中で生きてきた植物を使って、里美ちゃんが丁寧に染めた糸を使います。そんな工程や作り手の横顔をよーく知っていると、出来上がった製品を手にしたとき、自然と小高の景色が浮かびます。

『aff』は全国各地の公立図書館で手に取れるようです。またはhttp://www.maff.go.jp/j/pr/aff/へアクセスすると、インターネット上でも記事が読めます。ぜひご覧ください。(裕)