10月の芋こじ会

2015年10月29日

今月の芋こじ会は、

始まって以来、久米さんが初の欠席というスタートでした。

初めて来た人、前回から参加した人、昔から参加している人、

バラエティに富んだ20数人が集まりました。

私も初めての参加です。

 

秋祭の報告から始まり、

初めての参加の方のお話を中心に話題は進んでいきました。

芋こじ会は、

伝えたいことを言葉にすることが難しくても、

思った通りに言葉にできなくても、

まず、話を受けとめてくれる人が集まる貴重な場です。

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新しくサービスを始めたいという話や、

最後は秋祭で作ったものが売れて嬉しかった、

ものづくりには大事なことがたくさん入っているという

明るい話でお開きになりました。

 

午後は移動して、福島県有機農業ネットワークの

根本さんの畑にお邪魔しました。

「マッハ」「ソニック」という、

なんだかとっても早そうな名前のたまねぎの苗を植えました。

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最近少し変えた、詳しいことは秘密という

その植え方にみんなびっくり。

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「これで大丈夫なんですか?」というみんなの不安に

「大丈夫だよ~」とおっしゃっていましたが、

本当に大丈夫だったのか、確認しなくてはと思いました。

 

たまねぎを植えた後、畑にできていた

トマト、ナス、小松菜、大根、かぼちゃ、カブを収穫していたら、、、

私が未だかつて見たことない長さのさやいんげんが!

長いものだと50cmを越していたのではないでしょうか。

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最後はフィールドワークで根本さんにお世話になった、

福島大学の学生から御礼の色紙のサプライズプレゼントが。

授業が終わっても、こうして会いに来れる機会があるのは良いですね。

 

次回の芋こじ会は11月28日(土)です。

笑顔が咲いた秋まつり

2015年10月22日

横断幕

10月17日と18日、小高に賑わいと笑顔があふれました。復活!秋まつり―。

商工会の女性部がカレーやうどんを売ったり、JAの職員さんが焼きそばを作ったりするテントに並び、
浮船の里からは、織姫の里美さんが小高の植物で染めた手ぬぐいと手作りとんぼ玉のストラップセットと、
手染めの糸で織ったコースターを、聡子さんが鮮やかにディスプレイしました。

久米さん

隣のブースにはアンテナショップ・希来のハンドメイド品、その隣には杉内さんの新鮮有機野菜が並びました。テーブルの下にはのらとも農園のサクラソウもスタンバイ。

野菜

午前10時を過ぎたころから、普段は誰もいない通りに、本当にたくさんの笑顔が生まれはじめました。あちらこちらで「元気だった?」「どうしてたの?」という声とともに、互いの肩に手をかけあう人たちの姿が。

おまつり1日目に印象的だったのが、小高中学合唱部の生徒さんのステージです。女子6人、男子3人がやや緊張の面持ちで3曲披露しました。

合唱部最後の曲は『群青』。平成24年度の卒業生が、音楽の先生と一緒に作った曲です。少し長いですが、歌詞を掲載します。

『群青』
ああ あの町で生まれて 君と出会い たくさんの思い抱いて
一緒に時間(とき)を過ごしたね
今 旅立つ日 見える景色は違っても
遠い場所で 君も同じ空 きっと見上げてるはず

「またね」と 手を振るけど 明日も会えるのかな
遠ざかる君の笑顔 今でも忘れない

あの日見た夕陽 あの日見た花火 いつでも君がいたね
あたりまえが 幸せと知った 自転車をこいで 君と行った海
鮮やかな記憶が 目を閉じれば 群青に染まる

 

あれから2年の日が 僕らの中を過ぎて 3月の風に吹かれて 君を今でも思う

響け この歌声
響け 遠くまでも
あの空の彼方へも 大切な すべてに届け

涙のあとにも 見上げた夜空に 希望が光ってるよ
僕らを待つ 群青の町で

きっと また会おう
あの町で会おう
僕らの約束は 消えはしない 群青の絆

また 会おう 群青の町で・・・

それぞれの人が、いろいろな想いを抱いてこの曲を聴いていたのではないでしょうか。
わたしは普段小高に暮らしてはいませんが、それでも胸につまるものがありました。

浮船の里のブースは、たくさんのお客さんで賑わいました。あっという間に過ぎた一日の締めくくりは、鎮魂と小高の再興を願う花火の打ち上げ。

花火

橋の上に並んで座る人たちは、夜空を黙って見上げました。

 

2日目、浮船の里の理事長・久米さんは朝から落ち着きません。
それもそのはず、この日は大舞台が待っていたのです。
世界で活躍する美容師・野沢道生さんの「ヘアショー」に、モデルとして出演することになっていました。

ショーは郡山市にある、国際ビューティー・ファッション専門学校の生徒さんのウォーキングから始まり、続いて小高の人たちが次々にモデルとして登場しました。
観光協会の佐々木さんや区役所職員の村井さんファミリー、希来の店長・脇さんご一家、そして久米さん―。
みなさん、普段とは別人のようでした!髪をセットし、メイクをほどこし、衣装も着替え、完全に「なりきって」いました。出演する人も笑顔、見ている人も笑顔、のとても素敵なショーだったと思います。

みんな

こうして、楽しかった2日間は瞬く間に終わりました。
小高には、また静かな日常が戻ったでしょうか。
あの2日間、小高駅前の通りに集った人たちの顔を、わたしは決して忘れないと思います。そして、集った人たちを迎えてくれた、大井のコスモス畑も。パレットのように鮮やかなその光景は、胸にしっかりと刻まれました。
コスモス

秋のお蚕さま成長録

2015年10月11日

秋深まるこの頃、小高の朝晩はあたたかな上着なしだと寒く感じるほど。

10月10日、3連休初日の浮船の里にはたくさんの来客がありました。中日の今日は雨のせいもあってか、静か―。秋のお蚕さまを育てた1カ月を振り返ってみます。

0905のかいこ

9月4日、4000頭の蚕たちがやってきました。体長は3~4㎝ほど、チョコレートの「小枝」のようです。

0913のかいこ

9月13日のかいこ。桑の葉を食べ続けて体長は倍に、ぷっくりと肥えています。このころになるとご飯は1日に4回ほど。朝、新鮮な桑の葉を刈りにゆき、たっぷりと与えます。〝さわさわさわさわ〟とも〝くしゅくしゅくしゅくしゅ〟ともつかない、五月雨のような音をさせて、蚕たちは黙々と桑を食みます。

 

すずなり再夜、桑の葉を敷いて帰ると…朝にはこのありさま。一枝にぷらーんぷらん、と蚕たちが鈴なりに。

そういえば、桑畑での桑刈り作業中にはこんな出会いもありました。

くわご再

くわご、という蚕の原種だそうです。お顔はなかなかこわいですが、動きはゆったり、可愛さは白いお蚕さまと変わりません。

 

9月17日、蚕たちは繭になりはじめました。その様子は9月18日のブログ【上蔟(じょうぞく)】に詳しく書いてあります。

完成再  9月20日、蚕たちは繭になっていました。まだ籠って間もない繭の中からは、〝かしゅかしゅ〟とも〝くちゅくちゅ〟ともつかない音が。糸を吐ききるまで、蚕は懸命に動きます。

まぶし再 9月26日、籠って1週間が経った繭を、蚕の部屋・蔟(まぶし)から外す【繭かき】の日が来ました。天井から吊っていた蔟を下ろします。

検品再

繭かきは、震災前まで養蚕業を営んでいた小高区・佐藤さんのお宅にお邪魔して行いました。

織姫の里美さんが繭かき前の検品。日に透かし、薄い繭やうまく成長できなかった蚕の繭をよけます。

賢二郎さん再

「マユクリン」という機械に蔟を押し進めると、一つ一つの仕切りから繭が外れて下に落ちてきます。操作するのは、浮船の里・蚕部長の永木賢二郎さん。9月中は、心の中で〝師匠〟と呼びながら、蚕のお世話をご一緒させてもらいました。

 

こうして無事に、秋のお蚕さまは3900個が繭になりました。去年6月、浮船の里で500頭を飼い始めたころには触れることもできなかった蚕たち。この秋は、知らずのうちにお世話に通っていました。シンプルなのです、蚕を育てるのって。彼らの食べる桑を切ってくる、与える、掃除する、観察、の繰り返し。でもちっとも飽きない。1日が驚くほどあっという間に過ぎてゆきます。

そしてとれた繭を前にした今は、どんなわずかな布切れも無駄にはできないとも思います。桑の葉だけを食べて育つ蚕が、口から糸を吐くという不思議。成長の過程を見続けてもなお、不思議は募るばかりで興味が尽きません。

来年3月には、春のお蚕さまに向けて桑畑の剪定を行うそう。すこぅしでも興味が湧いた方は来てみませんか。

 

ご寄付をいただきました

2015年10月10日

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10月6日に、横浜市今宿地域ケアプラザの皆様にご訪問いただきました。
ケアプラザの皆様は、横浜市内で施設利用者と地域住民の交流をはかる歌声喫茶を開催されていて、そこで被災地への支援を目的に寄付を募り、被災地に届けるという活動をされています。

とてもありがたいことに、今回その寄付金の一部を浮船の里にご寄付いただけるとのことで、横浜から小高まで届けに来てくださいました。

今の小高の現状や、浮船の里の活動、横浜での被災地報道の少なさなど、私たちの意識と首都圏の生活がかけ離れていること、思いをもって行動に結び付けることの難しさなど、いろいろなことを話しました。私たちも話しながら、これからのことを考えるきっかけになったと思います。

いただきました寄付金は大切につかわせて頂きます。
震災から4年を過ぎ、現在も被災地に支援をしてくださる方々に、ただただ、感謝を申し上げます。
ありがとうございました。