捧げる

2021年6月15日

月曜日、蔟(まぶし)に移動してもらったお蚕さまの様子を覗くと、営繭(えいけん)が始まっていました。

養蚕でいちばん興味があるのが、営繭の観察。
糸を吐く様子を見るのは、本当に飽きません。

まだ、丸い繭のかたちができる前の薄さ。

 

かたちができ始めてきました。

 

黙々と糸をはくお蚕さま。
通常は蔟(まぶし )の一部屋ごとに作ってもらうのですが、今年もいました。場外に営繭してくれるお蚕さま。

蔟(まぶし)を天井から吊る作業をしようと、うんちとおしっこ用に敷いていたダンボールをペラッとめくったら。。。

なかよく場外営繭です。

 

ねえねえ、きみは一体、どこに繭をつくるんだい?

 

 

ぼくはみんながよく見えるように、お部屋の外に。

 

 

わたしも、外がよく見えるように、明るいところで。

 

 

ぼくはちょっと出遅れちゃったから、みんなの様子を見て、営繭の仕方を勉強してから始めるね。

 

 

9つの蔟(まぶし)がすべて天井から吊られて、床をお掃除してひとまずこれでひと段落。

1週間後には、立派な小高育ちの春繭が完成します。

 

土曜の桑刈り、日曜の上蔟、月曜のお掃除。
怒涛の2日半でした。
そしてお蚕さまだけに捧げた2日半。
たった2日半のお手伝いで疲労困憊したのですから、毎日お世話をしていた久米さんと里美ちゃんはいかばかりか。

 

ニュースも新聞も、ほぼ見なかった小高での時間。
お蚕さま一色の生活は、貴重な経験になりました。

 

(裕)