年末恒例、小高へやってきました。
折しも大寒波襲来直前。行くか、止めるかさんざん迷い、えいやっと愛車のエンジンをかけたのがクリスマスの20時半。
早めに帰省する方たちの波に乗ったのか、常より混んでいる常磐道をひた走り、日付変わって午前1時に小高に着きました。
大雪は日本海側が中心と言っていたっけ。
さすがに日の出は無理そうだから、ちょっとゆっくり寝ようかな、と携帯のアラームを7時にセットしてお布団に入りました。
午前7時。
カーテンを開けると広がっていたのは、ほんのりした雪景色。
晴れているのに、雪。
不思議ですよね。でも晴れていたんです。
とっても明るいし、海側は青空が見えていました。
だれも歩いていない雪道って、なんかいい。
新聞の配達員さんの轍もないところを見ると、短時間で積もったのかしら。
とにかく今季初の雪に喜びを噛みしめましたが、寒がりの久米さんはシブいお顔。
ダウンベストにばんこ(半纏)、スパッツにニット帽ととにかく着込み、ストーブもエアコンも空気清浄機も扇風機もつけて、室内を暖めはじめました。
いくつかの用事を済ませ、ひと心地ついたところで「アップルパイ、作ったことある?」
ずいぶん唐突な、久米さんからの質問。
「ないです」
「冷凍のパイシートがあるから、作ってみよう!」
年末だからと言って特別なことは、さしてしない(笑)
通常運転の小高の日々。
おいしいバンビりんご団地のりんごを切って、レモンとシナモン、砂糖と合わせて火を通し〝フィリング〟を作りはじめました。
フィリングができたら、次の工程は「粗熱をとってからパイシートに広げる」。
出来たてアッツアツのりんごを冷ますのに、もっとも効果的な方法は。。。。
外に出す!
もはや雪はほとんど姿を消してしまい、キンキンに冷えた空気だけが残る庭にフライパンを突き出しながら、「寒いさむい」と嘆く久米さん。
0度の外気のおかげで、あっっっっっという間に湯気は消えました。
こうして久米さんとわたしの共同制作で、ともに人生初のアップルパイが焼けました。
シナモンがきいたトロトロしゃくしゃくのりんごが、口の中で甘ーく溶けます。
いくらでも食べられそうなおいしさでした。
おやつが終わると、いつしか帰る時間が近づいていました。
ガソリンを満タンにして、また350キロを走ります。
国道6号に出ると、日暮れ前の景色に行きあいました。
まもなく2021年が終わります。
1万頭のお蚕さまが来た6月、繭玉1,000個の袋詰めカウントに悶絶した7月、しばらくぶりの11月、年納めのごあいさつの12月。
ありがたいことに、いつも通りの1年を無事に過ごすことができました。
次回の小高行きを心から楽しみに、ゆっくり今年を振り返ろうと思います。