浮船の里では、毎月、月末の土曜日に、原発被災者のための話し合いの場、「芋こじ会」を開催しています。
「芋こじ」とは、「芋をこじる」の意味で、桶の中に里芋と水を一緒に入れ、棒や板でかき回すことを言います。こうすると、芋同士がぶつかり合い、こすれ合って、うまい具合に汚れが落ちます。
芋が互いを磨き合うように、人も互いに磨き合うことができます。ただし、ぶつけ合うのは思いや気持ちやアイデア。つまりは、話し合いです。話し合いを重ねる中で、人は、問題の本質がわかり、気持ちの整理がつき、前向きな気分になって、アイデアを思いつくのです。
浮船の里では、住民同士の話し合いの場を「芋こじ会」と名付け、2013年4月の設立以来、毎月、行なってきました。お蚕様を飼おう、絹織物をやろうというアイデアも、「芋こじ会」の中で生まれ、形にしてきたものです。
江戸時代の農政家・二宮尊徳は、疲弊した農村の復興に尽力した人で、その生涯で600余の農村復興に関わったと言われています。
農村の建て直しに際し、尊徳が必ず行なったのが、農民同士の話し合いの場を設けることでした。農民達は、話し合いながら、復興に向けて力を合わせていったのです。その話し合いの場を、尊徳は、「芋こじ」と呼んでいました。
相馬地方は二宮尊徳との縁が深く、相馬中村藩では、藩領内226村のうち、101村が、尊徳の教えに従った復興に取り組んでいます。
相馬藩下の農村が復興したように、私達も、何とか立ち直ってゆきたい。そこで、二宮尊徳にあやかり、住民同士の話し合いの場を「芋こじ会」と呼ぶこととしたのです。
日時:原則、毎月末の土曜(イベントカレンダーをご確認ください)
場所:あすなろ交流広場
スケジュール:
10:30〜12:00 芋こじ会
(話し合いの時間です)
12:15〜13:30 昼食会
(500円で手作りの昼食を
食べる時間です)
参加資格:
小高区、原町区の住民で、放射能汚染で避難されている方ならどなたでも参加可能です。初めての方は、事前のご連絡をお願いします(メール、電話)
ご了承頂きたい点:
芋こじ会には、会の進行役(ファシリテーター)がいます。ファシリテーターは、これまで、外部の方にお願いしてきました。外部の方に聞き役として参加してもらったほうが、住民だけではなかなか話し合えないようなことも話し合える雰囲気をつくりやすいからです。
また、原発被災者の現状を知りたいという方や、支援をしたいと言う企業・団体の方が、聴衆として参加することもあります。その点、ご了承ください。