色と数字に囲まれて

2017年3月24日

3月の薄曇りの穏やかな休日、あすなろ交流広場で色と数字のワークショップが開かれた。

「曼荼羅ワークショップがあるからよければ参加しませんか?」と久米さんに誘われていた私は、何をするのかいまいちピンとこないまま、でもきっと楽しいだろうと思い、小高へ足を運んだ。

予定の10時に間に合わず遅刻ぎみで交流広場に着いたら、色とりどりの糸に囲まれてワークショップが始まっていた。
ちょこんと立てかけられている見本をみて、やっと今日行うことが分かった。
それは板に打ち付けられたピンに規則正しく絹糸が巻かれている美しい飾り。
交流広場の棚に飾ってあったことも思い出して、「そっかーこれをつくるのか」とわくわくした。

群馬の富岡で、養蚕、草木での染色、織りを行っている金田さんご夫妻が定期的に小高を訪れて開催しているこの会。毎回ご自身で紡ぎ染めた糸を30色近くも持ってきてくださって、私たち参加者は贅沢なことに好みに合わせてそこから9色を選ぶことができた。
作業自体はとてもシンプルで、64本打たれたピンにある数字の規則にしたがって1色ずつ糸を巻き付けていく。全てのピンに糸が絡んだら色を変えてまた規則正しく巻き付ける。
それを9回行うと、なんと不思議な、でも見ていて気持ちのいい模様があらわれる。

いち、に、さん、し......と順番に数を数えてピンに一巻き、またいち、に、さん、し......
このときは目の前の板と絹糸、数字だけを見て、考えていた。こんなに何かに没頭したのはいつぶりだろうか(まばたきするのさえ忘れてしまっていて、気付くと目がいたい)。
ヨガを習っていたことがあるのだけれど、そのときの感覚に近いような。
ひたすらに何かに集中するのは、楽しい。

色を選ぶのもこのワークショップの大切な時間だ。
たくさん迷って、でも最後は直感でこれだ!という色を選ぶ。
それまでの色の上に新しい色が重なると、一気に表情が変わっていく。

気付いたら2時間経っていた。

美味しい昼ごはんをみんなで囲んで、ちょっと休憩したらまた再開だ。


その後も数字を数え続けて、私は15時前に完成。
出来上がったのは最初に想像していたものよりだいぶカラフルで自分でも驚いた。
他のおふたりのそれも個性的で色鮮やかで、ずっと見ていられた。
自然界からいただく色だからか、どんな色でもきちんと調和がとれているのが不思議だった。


久しぶりに集中する時間を過ごしたからか帰りにはほどよく疲れていた。
同時によい時間を過ごしたな、とも。

金田さんご夫妻はまた小高にいらっしゃるそうだ。
またあの空間にいたいなと思う。ありがとうございました。

(ひさえ)

小田原へ

2016年12月11日

最初は木のつながりでした。

浮船の里が活動する、あすなろ交流広場を訪れたことがある人は座ったことがあるはずの、木のベンチテーブル。小田原林青会という、木材業を営む青年団体から寄贈されたものです。その後、ご縁がずっとつながり、このたび12月10日に神奈川県小田原市で行われたリフォームイベント「やんべ~よ」に参加してきました。

小田原へ呼んでくれたのは、林青会の2代前の会長、髙木大輔さん。「木のことで困ったときには髙木さん」と、久米さんがいつも呪文のように唱えて頼りにしている人です。
工務店やガス器具、インテリアなどなど、住まいに関するさまざまな商材が一堂に会するイベントの一角に、「MIMORONE」の販売ブースをもらいました。

小高で育てたお蚕さまからとった糸で作った、巻玉アクセサリーとストールを並べます。

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ブースを訪れてくれた人の多くは、浮船の里理事長の久米さんを知る人でしたが、まったく「初めまして」の方も何人かいらっしゃいました。

今回は、アクセサリー製作を担う柚原ふみえさん、蚕部長の永木けんじろうさんの奥さま、愛子さんも一緒に来原。いろいろな人と話に花が咲いていました。img_1510

会場には「木づかいの街・小田原」らしく、来年秋に向けて動き出した、小田原市内の神社の大鳥居建立に使う木材も展示されていました。鳥居の指揮を執る大工の棟梁・芹澤毅さんは、今回販売したアクセサリーの原材料の一部、筍を贈ってくれた方でもあります。久米さんに紹介すると、「筍の人です」とおどけてあいさつするお茶目な棟梁。ここでもまた、ご縁がつながりました。
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こうしてあっという間に一日が過ぎ、イベントは無事に終了。鳥居の材が搬出されたのを見届けて、私たちも会場をあとに。

 

また来ますね、小田原に。足をお運びくださった皆さま、ありがとうございました!

追記:会場にいらしていた、小田原市のシティセールス担当の山本圭一さんが撮ってくださった写真があまりに素敵だったのでご紹介します。ブースに飾ったMIMORONEツリーです。%e3%83%9f%e3%83%a2%e3%83%ad%e3%83%8d%e3%83%84%e3%83%aa%e3%83%bc

MIMORONE

2016年10月17日

前回訪れたのが6月だったから、
また季節の変わり目に小高に来たことになる。
青空がどこまでも広がる文句なしの青空で、
私はほっとしていた。
何しろ、私が小高に行くと
半端じゃない雨が降ることが多かったからだ。

今回ばかりは、雨だけは避けたかった。
10月15日、16日は小高の秋祭り。夫婦で参加させていただいた。
私にとってもそうだけれど、
それ以上に浮船の里の皆さんにとっても、
とても大切な秋祭りだったんじゃないかと思う。

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小高に新しいことばがひとつ生まれた。
浮船の里の絹糸から作る製品ブランド「MIMORONE」
これが秋祭りでお披露目になった。
小高で育てたお蚕様の糸を小高の草木で染め上げて作った、
100%小高のブランドだ。

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草木の繊細な色と、シルクの優しい手触り。
アクセサリーは秋祭りに来たみなさんを惹き付けて、
飛ぶように売れていった。
売れるのは楽しい。
このアクセサリーがどんどんいろんな人のところに行くのだから。
その先々を想像して、また楽しくなる。
少しずつ、世の中に「MIMORONE」の色が広がっていく。

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「みもろ」とは大和ことばで「神様が見守る場所」の意味だそうだ。
小高の豊かな自然、糸を生み出すお蚕様、そして浮船の里の人たち。
きっと、神様が見守っている。
「ね」は「音」である。
音色ということばがあるように、色とりどりの糸のイメージと、
浮船の里に聞こえる独特の音たちをイメージした。
機織りの音、お蚕様の桑を食む音……。
確かに、この場所は色と音に溢れている。

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MIMORONEの色が、小高から、みんなを幸せにする。
私たち夫婦もいつか、そんなものを作りたい。
そんな話を日に焼けた帰り道、話していたのでした。

参加させていただき、ありがとうございました。

(木田修作)