お蚕さまが浮船にやってきて、4日目。
体長は4.5センチになりました。
人間のような寝姿の蚕ちゃんです。
そろそろ4齢も終わり。中学生から高校生に進学する直前、くらいですね。
食欲が旺盛になってきました。
夜、さらっと桑の葉をあげてから帰宅して
今朝、蚕部屋を訪れると
ご覧のとおり、きれいに食べてくれていました。
実に、気持ちいい。
このあと、お腹をすかせたお蚕さまにはちょっと待っていただいて、お掃除の時間です。
網の下に敷いた新聞紙の上に落ちたふんと細かな桑を掃き集め、石灰をまきます。
網に残った桑の葉や枝を集めます。
きれいになった新聞紙に、網ごとお蚕さまを移動して終了です。
この作業、幼い蚕であればあるほど、気をつかう。
桑の葉の裏や、枝に残ったお蚕さまに気づかず、捨ててしまうことがあるからです。
気をつけて、掃除後に点検しても、まだこわい。
満を持して、一番確かな目を持つ里美さんの登場です。
久米さんと2人、目を皿のようにしてチェックしたはずなのに、見つかる、見つかる。。。
里美さんの手にすくい上げられたお蚕さま、きっと胸をなで下ろしているはずです。
さて、時間を追うごとに成長を続けるお蚕さまは、そろそろ眠りにつきます。
本当に〝寝て〟、起きるといよいよ5齢。食欲最盛期に突入します。
お蚕さまが寝るときの格好はさまざまですが、今日いちばん目立っていたのは、垂直のこのコでした。
(裕)
雨!
小高にやっと、恵みの雨が降りました。
朝からテンションが上がります。
5時半、蚕部屋をのぞくと昨日の夕方4時にあげた桑を、一晩できれいに食べてくれていました。
こちらが昨日。
これが今朝。
桑刈りに出かける前に、楽しいできごとがありました。
野良仕事に、newアイテムが加わったのです!
ワークマンに出かけた久米さん。当初の目的だった冷感パンツとチュニックが見つからず、ふと目に入り手に取ったという、その名も「イージー農家さんマスク」。
「のらSTYLE」という名前で意匠登録出願済・特許出願済の製品です。
のらSTYLEの説明として、〝日本にある「野良着」と呼ばれる仕事着。「NORA STYLE」はジャンルに捉(ママ)われない新しい仕事着(野良着)をコンセプトに貴方らしいスタイルを提唱していきます。〟とあります。
ジャンルにとわられない新しい仕事着!
着用すると、こんな感じ。
たしかに、普通のマスクより肌への密着度が少なく(アゴ部分が締め付けられず、布地が顔から離れている)蒸れる感じは少ない。
使用感としては、その少ない密着度がかえって心許ない感じもしたり。。
久米さんは「このマスクいいねぇ!」とご満悦でした。
雨の中、みずみずしい桑を一心不乱に刈る姿をお届けします。
今日の桑はほんとうに、つやつやしておいしそう。
蚕ちゃんたち、浮船に来て3日目で体長は4センチになりました。
(裕)
6月18日、梅雨とは思えぬ爽やかな小高です。
冒頭から脱線しますが、こちらの夕焼けの美しさをお届け。
小高川の堤防にひとり立ち、沈んでいく太陽を見るのが至福のときです。
さて、4齢に入ったお蚕さまのお世話は、朝のごはんから。
前日刈った桑を5時半にあげます。お腹をすかせたお蚕さまたちは、青い葉のあちこちにまあるい穴を開けながら、桑をむしゃむしゃ。
いったん帰宅し、人間のわたしたちも朝食をとり、桑畑へ。
朝の早い時間帯に、みずみずしく柔らかな葉を刈ります。
自分が食生活に気をつけるように、だいじなお蚕さまたちにもおいしい桑を食べてほしい。
かっぽう着と手甲、長靴に麦わら帽子で完全装備の久米さんと、黙々とはさみを動かします。
今はまだ刈る桑の束が少ないのですが、繭になる直前の週になると、その量はいまの5倍ほどに。
半年以上ぶりの作業の手慣らしには、いまくらいが適量です。
慣れている久米さんが手際よく整然と桑の束をつくる横で、もたつくわたし。
焦っても仕方なく、丁寧に桑を選ぶことが大事、と自分に言い聞かせながらはさみを動かすしかありません。
お蚕さまはたったの一晩で、5ミリほど大きくなりました。
すぐに気づくくらいその変化は大きく、喜びも楽しみも倍増していきます。
あしたは久々の雨のよう。
桑に水分が行き渡り、さらにおいしくなるよう、期待して今日が終わります。
(裕)
コロナ禍の春、皆さんはどう過ごされましたか。
季節はちゃんと移って、夏。
おかげさまで、浮船の里は平常運転しております。
関東と同日に梅雨入りしたものの、このうえない晴天の小高。
6月17日、毎年お世話になっている田村市都路の稚蚕所に、2020年春のお蚕さまを迎えに行きました。
小高から車で約1時間。到着した先は。。。
この真っ青な空の広がる場所。
厳重な温度管理のもと育てられているお蚕さま。二重扉の向こうに、小高にやってきてくれる蚕ちゃんたちがいました。
朝日を浴びて、神々しくさえ見える蚕ちゃんたち。
体調は2.5センチほどです。
ふたたび山道を小高へ戻るのですが。。。軽バンの後ろにいる大事な蚕ちゃんたち、カーブを曲がるたびに横滑りするので、肝が冷えました。
いまは3齢といって、人間でいうと小学生くらいの生長過程で眠りについています。
蚕が眠りにつく、というのが想像できるか分かりませんが、本当に〝眠って〟いるのです。
写真のように上体を反らし、じっとしています。
眠りから覚めると中学生に値する4齢に入ります。
そうするといよいよ、桑を食むのがお仕事の、成長期のスタートです。
5,000頭の春繭。
だいじに大事に育てます。
(裕)