MIMORONE

2016年10月17日

前回訪れたのが6月だったから、
また季節の変わり目に小高に来たことになる。
青空がどこまでも広がる文句なしの青空で、
私はほっとしていた。
何しろ、私が小高に行くと
半端じゃない雨が降ることが多かったからだ。

今回ばかりは、雨だけは避けたかった。
10月15日、16日は小高の秋祭り。夫婦で参加させていただいた。
私にとってもそうだけれど、
それ以上に浮船の里の皆さんにとっても、
とても大切な秋祭りだったんじゃないかと思う。

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小高に新しいことばがひとつ生まれた。
浮船の里の絹糸から作る製品ブランド「MIMORONE」
これが秋祭りでお披露目になった。
小高で育てたお蚕様の糸を小高の草木で染め上げて作った、
100%小高のブランドだ。

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草木の繊細な色と、シルクの優しい手触り。
アクセサリーは秋祭りに来たみなさんを惹き付けて、
飛ぶように売れていった。
売れるのは楽しい。
このアクセサリーがどんどんいろんな人のところに行くのだから。
その先々を想像して、また楽しくなる。
少しずつ、世の中に「MIMORONE」の色が広がっていく。

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「みもろ」とは大和ことばで「神様が見守る場所」の意味だそうだ。
小高の豊かな自然、糸を生み出すお蚕様、そして浮船の里の人たち。
きっと、神様が見守っている。
「ね」は「音」である。
音色ということばがあるように、色とりどりの糸のイメージと、
浮船の里に聞こえる独特の音たちをイメージした。
機織りの音、お蚕様の桑を食む音……。
確かに、この場所は色と音に溢れている。

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MIMORONEの色が、小高から、みんなを幸せにする。
私たち夫婦もいつか、そんなものを作りたい。
そんな話を日に焼けた帰り道、話していたのでした。

参加させていただき、ありがとうございました。

(木田修作)

バッタンバッタン

2016年6月29日

きのうの小高は雨。たぶん梅雨だから。そう思いたい。

とはいえ「私が小高に来たときの雨が降る率」は半端ない。

弱音を吐きそうになるが、 それでも笑顔で迎えてくれるここの人たちが本当に好きだ。ありがたい。

そのたびに、雨が降ろうが槍が降ろうが、またここに来ようと思う。

 

いきなり締めのような話になってしまったが、きのう浮船の里にお邪魔した。

いつぶりかと思って手帳のページを繰ってみると、3月以来だった(はず)。

その間に春がきて、もう夏になろうとしている。 変わるものもあれば、変わらないものもある。

 

さて、今回は機織りを体験したのだ。

いつもは遠巻きに眺めて「いいなぁ、手仕事の道具は」なんて思っていたのだけれど、

いざ座ってみると緊張感が違う。何かこう「ピン」とした気持ちになる。

私たちが到着したとき、経糸はもう張ってくださっていて、

緯糸を織って、コースターを作る作業を体験させていただいた。

 

糸と糸を組んで、一枚の布を作るというのは、 途方もない作業のように思えたのだけれど、

実際始めてみると慣れないながらも、目に見えて進んでいくから楽しい。

糸を通して、バッタン、バッタン。また糸を通してバッタン、バッタン。

その繰り返し。

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作業は単純なのだけれど、 織っていくうちに複雑で繊細な表情を表していく。

最初は想像もつかなかった表情だ。それがまた驚きと感動に拍車をかける。

 

バッタン、バッタン。

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そして、調子に乗っていると失敗する。雑になる。ほどいて、やり直し。

「ほどいてやり直せるよ」と島抜さん。

「絡まってやり直せなかったら、切っちゃえばいい」と久米さん。

やり直しのきくもの、ダメなら切っちゃえるものは、 世の中にあんまりないなぁ。

などと思いながら、バッタン、バッタン。

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こうして、夫婦で9枚のコースターができた。

私たち夫婦は、いつか人が集まることができる場所を 自分たちで作りたいと思っている。

そのときに、このコースターでコーヒーを出したいと思った。
もう少し数が必要かもしれない。

 

木田修作

 

糸を繰る。

2015年9月10日

「糸を繰(く)る」という言葉を初めて聞きました。

糸は紡ぐものとばかり思っていました。

糸を紡いできた浮船の里は、いま糸を繰っています。

「坐繰り」と呼ばれる手法で作られた糸がこれです。

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強く細い糸は「紡ぐ」のではなく、機械で「繰る」ことで出来上がるそうです。

 

そして、強く細い糸は機織り機を動かしました。

これまでの糸では、機織り機で織ることができませんでしたが、

「坐繰り」で作られた糸は、それを可能にしました。

京都から運ばれてきた明治時代の機織り機は、長い時を経て小高で動き出しています。

 

これまで、横糸だけが小高の糸でしたが、

これで縦も横も、小高の糸で織ることができるそうです。

ここで機織りを始めて、2年あまり。初めてのことです。

 

糸は小高の桑と藍で染め上げられました。

藍は青色に、桑は黄色に。

染め上げられた糸は、鮮やかだけれども、やさしい緑色のマフラーになる予定です。

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縦糸も、横糸も、色も。

100パーセント小高のマフラーがもうすぐ出来上がりそうです。

(木田)