いとしのお蚕(こ)さま

2019年6月15日

梅雨の小高。15日(土)は朝から本降りの雨です。

今年最初のお蚕さまは5,000頭。5齢といって、人間でいうと高校生くらいの食欲旺盛な時期にさしかかっています。

新鮮な桑を食べてもらおうと、朝一番の仕事は桑切りから。桑畑を貸してくださっている佐藤さんご夫妻と久米さんと4人で30分ほど、あすの天気も鑑みて10束分をたっぷり切り、急いで浮船に戻ります。一晩分のふんと枝だけになった桑を取り除き、水気を払った桑を「さあ、食べて!」と気前よく広げると―。

しばしののち緑一面の桑の下から、白い体をうねうねさせて、お蚕さまが顔を覗かせます。耳をすませばさわさわ、さわさわと五月雨のような、桑を食む音。これこれ、この音がわたしの6月です。

浮船を訪れるようになって今年で5年目。最初の年は、触ることもできませんでした。今ではひとり、蚕部屋で飽きずにシャッターを切ること100枚以上。とにかくいとおしくて仕方のない存在です。久米さんも毎日お世話をしながら、話しかけているそう。

ところでお蚕さまは、地方によって「お蚕(こ)さま」と呼ぶ場所もあるそうです。響きがかわいらしく、ただただ無心で(おそらく)桑を食むその姿にぴったりの、やさしい呼び名だと思います。(ゆ)

冬が来たよ

2018年11月19日

9月以来の小高。夕方6時に駅前に到着すると、イルミネーションの点灯式をやっていました。年々美しさを増す装飾に、多くの人の姿が。
双葉屋旅館は、企業研修の団体さんを迎えて忙しそう。お手伝いのあとに、つきたてのおもちをいただきました。

さてさて、秋晴れの日曜日。久米さんと向かったのは、相双地方とゆかりの深い二宮尊徳と富田高慶のお墓。南相馬市原町区の石神にあります。なにげなく看板が立っていて、こんな林のなかにあります。

ひんやりした空気の墓所、お参りする方はいるのでしょうか。

案内板もありました。

帰りは、浮船の里で見送ってもらいながら、一路小田原へ。この笑顔に、また会いに来ます。(ゆ)

 

胸いっぱいに吸い込む、懐かしい香り

2018年6月24日

おはようございます!小高の広い空に包まれて、気持ちのよい朝です。
今期のお蚕さまがはじまりました。小田原から(強力な?)助っ人が4人、やってきました。

日焼け対策に加えて桑にかぶれぬよう完全武装して、佐藤公一さん・ヨシ子さん夫妻の桑畑での桑刈りからスタートしました。
青々とした葉は柔らかく、ヒトのわたしが見てもおいしそう。ご夫妻に刈り方を教えてもらってからハサミを動かします。

公一さんは黙々と手を動かし、久米さんはじめ助っ人たちの3倍くらいの早さで桑を積み上げていきます。寡黙だけれど、笑顔がすてき。

 

ヨシ子さんはお嫁入りが決まった時、蚕の育て方を習ってから小高に来たそう。秋の養蚕用に根本までしっかり枝を切り、次の芽を出すべく桑の手入れをしています。
6人で切れば30分ほどで、抱えるくらいの桑が5束刈れました。これで今日一日分のお食事は確保です。浮船に戻って、新鮮な桑を食べてもらいましょ。いちおう、小高のかあちゃんは元気です、というお知らせも。この笑顔です。

このブログのタイトルは、昨晩小高に到着して、浮船の里の蚕部屋の引き戸を開けたときの感想です。25度の室温に、桑の青い匂いと4000頭のお蚕さまたちの生命力が混ざり、独特の香りがするのです。そしてそれは、わたしが大好きな香り。「ただいま」とすんなり言ってしまう、小高の香りです。

いよいよお蚕さまは5齢目に入りました。高校生くらいの食欲で、元気にモリモリお食事をしています。(裕)