小高に春が来ました。
桑畑をお借りしている佐藤さん宅の畑の土手には、フキノトウやらオオイヌノフグリやらハナニラやら。
気温もグングン上がって、上着を着込むと汗をかくほどの陽気の中、2025年の春繭しごとが始まりました。
小田原から宏子さんが来てくれて、佐藤さんご夫妻の指導のもと、桑刈りです!
細い枝を根元から切り、初夏に良い葉っぱがたくさんつくよう、手入れします。
前日にお父さんたちがフライングしてくださっていたので、あっという間に作業は終了。そうなればいつものお茶っこタイムです。
お煎餅にデコポン、ジュースに大福。ちょっとお母さんの姿が見えないと思うと、お台所から新たにバナナを持って登場しました。ちょっとも座っていない、気遣いのお母さんなのです。
昨年購入したお父さん自慢のトラクターの前でしばし歓談し、佐藤さん宅を後にしました。
今日はお楽しみがもう一つ。
久米さんの友人の愛子さんが、まぜぶかしを用意してくれていました。
しっかりとお味のついた具材がたくさん入ったまぜぶかし。お野菜たっぷりのけんちん汁の鍋も一緒に、浮船の里にお届けくださって、ほかほかのランチタイムです。
「普通の家庭料理よ」と言いますが、こういうごはんが一番おいしい。
おむすび2つとけんちん汁3杯を平らげて、ようやく満足しました。
昼食後、久米さんとわたしは6号線沿いの桜の手入れに向かいました。
東日本大震災後、京都府警から南相馬市に派遣されていた警察官の方が植えた桜が、国道6号沿いにあります。
枝の一部が密集している様子が、通るたびに気になっていた久米さん。ハサミを持って、木登りして、手入れを行いました。
震災から14年が経ちました。
お蚕さんのお世話で小高に来る。
特に用がなくても、久米さんに会いに行く。
久米さんは新海苔が出たら、佃煮を作って送ってくれる。
わたしは小田原のみかんの季節になると、久米さんが好きだからと送ってみる。
そんなこんなの14年でした。
この桜を植えた警察官の方たちをはじめ、久米さんのところに遊びに来るたびに、たくさんの人と出会いました。
久しぶりの小高を満喫したかったのにバタバタと仕事が入り、小高での滞在時間はたったの18時間。
ひとり車を走らせながら、さまざまなことを思い出す春の福島路でした。