2ヶ月ぶりにお邪魔しました。
私が小高に行くとどうしても雨が降るようです。
紅葉前線が各地を通過していて、
きれいな景色を楽しめるきょうこの頃。
この木々が葉を落とすころには、
「もう冬になるんだなぁ」と思うと、少し寂しい気もします。
浮船の里で行われている「染め」の作業は、
そんな人間の気持ちに対する知恵なのかもしれません。
浮船の里には、たくさんの葉があります。
小高小学校のもみじ、小高神社の桜の葉・・・。
どれも小高の秋を彩っていたものたちです。
それぞれに思い出があり、記憶があります。
その葉から声を聞いて、引き出し、「永遠のいのち」を与えられた絹に、
それぞれのストーリーを布にとどめていくのが「染め」の作業なのでしょう。
「一度目の染液よりも、二度目の方がきれいになる」
「アクがあるから植物の本当の色は後から出る」そうです。
このほかにも「桜の落ち葉はピンクに染まる」ことにも驚きました。
奥深いですねえ。
普段私たちが見ている紅葉もきれいですが、
それは草木のほんの一面にすぎないんですね。
縦糸と横糸があって、布になり、そこに物語が染まっていく。
決して同じものはなく、ひとつひとつが美しい。
ああ、何か一枚の織物から大切なものをたくさん学んだような気がします。
脱色されたもみじたちも、どこか誇らしげに見えます。
ありがとうございました!
(きだ)