「糸を繰(く)る」という言葉を初めて聞きました。
糸は紡ぐものとばかり思っていました。
糸を紡いできた浮船の里は、いま糸を繰っています。
「坐繰り」と呼ばれる手法で作られた糸がこれです。
強く細い糸は「紡ぐ」のではなく、機械で「繰る」ことで出来上がるそうです。
そして、強く細い糸は機織り機を動かしました。
これまでの糸では、機織り機で織ることができませんでしたが、
「坐繰り」で作られた糸は、それを可能にしました。
京都から運ばれてきた明治時代の機織り機は、長い時を経て小高で動き出しています。
これまで、横糸だけが小高の糸でしたが、
これで縦も横も、小高の糸で織ることができるそうです。
ここで機織りを始めて、2年あまり。初めてのことです。
糸は小高の桑と藍で染め上げられました。
藍は青色に、桑は黄色に。
染め上げられた糸は、鮮やかだけれども、やさしい緑色のマフラーになる予定です。
縦糸も、横糸も、色も。
100パーセント小高のマフラーがもうすぐ出来上がりそうです。
(木田)