昨日ずーさまのお知らせが来たので、今日は上蔟と決まっていました。
晴れわたり、爽やかな風の吹く朝。繭になっていただくには、ぴったりの始まりです。
昨日先に一つだけ吊った蔟(まぶし)に入れた蚕さんたちが、光に透ける繭を作り始めていました。
その下には、脱走しそうになっている蚕たち。
「繭になる準備ができているんだよ!」と言っています。
フライングして、蚕ベッドの隅に繭を作りかけた形跡も。
里美さんと久米さんと、組み立てた蔟に蚕たちを移す作業からスタート。
お椀片手に、蚕さんたちを数えて拾う、の繰り返し。
蚕は上にのぼっていく性質があるそうで、区切られた蔟の部屋に入ろうと、もぞもぞ動きまわります。
ちょっと目を離すと、こんなふうに場外に直立していたり
苦しくないのかしら、仰向けになっていたりするのでビックリします。
3頭並んで繭づくりを始めた仲良しさんたちもいました。
こうして5,000頭の蚕をすべて蔟に移したところで、2週間寝ていただいた蚕のベッドは解体。
床もきれいに掃除して、今度はすべての蔟を天井から吊る作業です。
久米さんと里美ちゃん、息を合わせて、7年目の春繭のラストスパートにかかります。
これが終われば、あとはお蚕さまたちに、ただひたすらに糸をつくってもらうだけ。
2週間にわたり毎日、桑を運んでくれた浮船号も、今日で一段落です。
久米さんにピカピカに掃除をしてもらい、車内に香っていた桑の匂いとも一旦おさらば!
無事に5つの蔟が天井から下がり、あっという間に上蔟の1日は終わりました。
まだ部屋が決まらない蚕たちが、もぞもぞもぞもぞ。
蔟が床から目の高さに移動したので観察がしやすくなりました。
繭になる準備が整った飴色の美しい体に、目が釘付けです。
上蔟初体験のわたしは、とにかく足を引っ張らないように緊張しっぱなし。
くたびれました。。。
ほっとして、1日の終わりにはいつもの夕景を。
今日の空は、清々しいのにどこかさびしいブルー。
カエルの大合唱を聞きながら、浮船の里に戻りました。
蚕部屋では一生懸命、お蚕さまたちが繭をつくっています。
かわいらしい、ピーナツみたいな繭が早くも出来ていました。
(裕)