無事に上蔟が終わると、わたしたちの生活も通常運転に戻ります。
朝、お寝坊ができる!(といっても、早起きがなくなりいつもの起床時間に戻るだけ)と喜びたいところですが、小高に来たら、この時期だけの楽しみを見逃すわけにはいきません。
海から昇る朝日をみること。
浮船の里の蚕小屋から車で3分ほどの村上海岸は、だいすきな日の出スポットです。
昨日はあいにく焼けなかったので、今日に期待していました。
5時33分。
じんわりと、紅から青に変わっていく空。
ゆっくりと太陽が顔を出し、空が明るさを増します。
一定のリズムを刻む波に合わせて、自然と呼吸が整う感じ。
満足して海を後にしました。
昨日、蚕ベッドから個室マンションにお引っ越しした蚕たち。
つつがなく入居が終わったでしょうか。
まだうろうろとお部屋を探している子はいますが、とりあえず入居一歩手前までは来たようです。
カンボジア方式の桑の葉ベッドでも、着々と営繭が進んでいる様子に一安心。
あとは繭づくりに専念してね。
養蚕の道具もろもろをかたづけながら、「あぁ、今年も終わったな」と思いました。
まだ9月なのですが、秋繭が終わると確実に年の瀬感が襲来します。
そんな話を久米さんにしたら「ほんと、そんな感じ。もう今年は終わったね!」と達成感に満ちた(疲労感も少々)顔で同意してくれました。
桑の運搬に大活躍してくれた浮船号(軽バン)をきれいに掃除し、桑畑をお借りしている佐藤さんご夫妻に上蔟の報告に行き、最後のおしごと「繭かき」の日程を相談して帰ってきました。
そうそう、ひょこっと覗いた桑畑で、昨日までに捨てた桑の枝のなかから、健気に野生で生きていこうと頑張っていた蚕さんを1頭見つけました。
ごめんねぇ。。
心からお詫びして、桑の葉に乗って浮船に帰還してもらいました(この蚕さん、帰る道中で糸を吐き始めました)。
いまは蚕小屋に2種類の音がします。
ショワショワショワショワショワショワ
蚕が糸を紡ぐ音。
サワサワサワサワサワサワ
まだ食べたい蚕たちが桑を食む音。
2,3日もすればサワサワはショワショワに変わるでしょう。
この秋は、いくつの繭がとれるかしら。
おしまいに、ブログで載せきれなかった写真たちをここで大放出しようと思います。
2022年の秋繭の思い出に。
(ゆ)