きのうの小高は雨。たぶん梅雨だから。そう思いたい。
とはいえ「私が小高に来たときの雨が降る率」は半端ない。
弱音を吐きそうになるが、 それでも笑顔で迎えてくれるここの人たちが本当に好きだ。ありがたい。
そのたびに、雨が降ろうが槍が降ろうが、またここに来ようと思う。
いきなり締めのような話になってしまったが、きのう浮船の里にお邪魔した。
いつぶりかと思って手帳のページを繰ってみると、3月以来だった(はず)。
その間に春がきて、もう夏になろうとしている。 変わるものもあれば、変わらないものもある。
さて、今回は機織りを体験したのだ。
いつもは遠巻きに眺めて「いいなぁ、手仕事の道具は」なんて思っていたのだけれど、
いざ座ってみると緊張感が違う。何かこう「ピン」とした気持ちになる。
私たちが到着したとき、経糸はもう張ってくださっていて、
緯糸を織って、コースターを作る作業を体験させていただいた。
糸と糸を組んで、一枚の布を作るというのは、 途方もない作業のように思えたのだけれど、
実際始めてみると慣れないながらも、目に見えて進んでいくから楽しい。
糸を通して、バッタン、バッタン。また糸を通してバッタン、バッタン。
その繰り返し。
作業は単純なのだけれど、 織っていくうちに複雑で繊細な表情を表していく。
最初は想像もつかなかった表情だ。それがまた驚きと感動に拍車をかける。
バッタン、バッタン。
そして、調子に乗っていると失敗する。雑になる。ほどいて、やり直し。
「ほどいてやり直せるよ」と島抜さん。
「絡まってやり直せなかったら、切っちゃえばいい」と久米さん。
やり直しのきくもの、ダメなら切っちゃえるものは、 世の中にあんまりないなぁ。
などと思いながら、バッタン、バッタン。
こうして、夫婦で9枚のコースターができた。
私たち夫婦は、いつか人が集まることができる場所を 自分たちで作りたいと思っている。
そのときに、このコースターでコーヒーを出したいと思った。
もう少し数が必要かもしれない。
木田修作