久米さんのFacebookを見ている方はもうご存知ですね。
梅雨空の小高・浮船の里に、今年もお蚕さまがやってきました。
例年の倍の数がやってきて奔走(と疲弊)した昨年の教訓を生かし、今年はちゃんといつも通り。
5,000頭です。
6月17日にお迎えしてから6日目にあたる22日、2022年春の蚕さんたちと対面しました。
「ちっちゃい」。
チョコレート菓子の小枝のチョコを、もう少したっぷりつけたくらい。
8年目のお手伝いになりますが、なにもかも毎年新鮮で、作業をしながらいろいろ思い出します。
お掃除の手順、桑の切り方、蚕さんたちの習性。
朝たっぷりあげた桑の葉を
きれいに食べ尽くしてくれるとうれしい!というのは毎年おんなじ。
1日のうちで、朝と夕方でさえもサイズが違う。
蚕の成長は目を見張るものがあります。
そうそう、去年から浮船の里の蚕小屋は一戸建てにお引っ越ししました。
冷暖房完備、5,000頭をお世話するのにはちょうどいい3畳ほどの広さです。
お蚕さんたちの適正温度は25度。
常時このくらい暖かくないと、活発に活動(桑を食む)をしてくれません。
梅雨時の小高、朝の気温は20度くらいでとっても快適。
蚕小屋の暖房をつけると暑いな、と思うのですが寒がりの久米さんは「ここがちょうどいいわぁ」とニコニコしています。
過ごしやすいとはいえ、朝5時起きの桑刈りが始まり、すでに1週間。
たったの2、3日しかお手伝いしないわたしでも寝不足でぼんやりするので、久米さんはいかばかりか。
いまのところ、元気です。
カメラを向ければ、ほら。
大事なことを忘れていました。
このブログのタイトル「ショーマストゴーオン」。
浮船の里の、養蚕の、どの場面でこんな言葉が出てくるのか、と思いませんか。
蚕部屋に、久米さん愛用の携帯音楽プレーヤーが置いてあります。
その日の気分で、島津亜矢やアヴリル・ラヴィーンのアルバムが流れてくるのですが、着いた日の夜の楽曲がQueenの「ショーマストゴーオン」でした。
タイトルが、まさに養蚕を表しているなと思ったのです。
蚕がやって来たら、あとはもう繭になるまでひたすら桑をあげて育ってもらう。
始まれば、もう前に進むしかないのです。
ものごとなんでもそうでしょうけれど、不意に流れてきたこの曲は、とても胸にささりました。
この週末、蚕さんたちの食欲は最盛期に入ります。
小高から小田原に帰ってきた途端、うんざりするほどの暑さと湿気に萎えていますが、今日からは小高も気温が上がる予報。
どうかバテずに、上蔟までたどりつけますように。(ゆ)